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「しまむらのセール品を真っ先にチェックするわ」キャリアウーマン兼主婦のタンザニア出身ヘレナさんインタビュー

クイーンのフレディ・マーキュリーはアフリカのタンザニア出身って知っていましたか?

他にもタンザニアといえば、アフリカ最高峰の山「キリマンジャロ(標高5895m)」があることでも有名です。

 

日本に住むアフリカの各国から来られている方々に、その方のストーリーや母国の文化の魅力、日本で過ごして感じた面白い点、辛かったことなどを赤裸々に語っていただくこちらのシリーズ。

今回はタンザニア出身で現在は山形県長井市にお住いの、お仕事もこなす料理大好き主婦、ヘレナさんに突撃インタビューをしてまいりました!

ヘレナさんが現在なぜ山形県長井市にいるのか、母国タンザニアと日本での暮らしの違いはどうなのか、色々教えていただきました。

【ヘレン・ムチョンブ】タンザニア(アルーシャ)出身31歳。2019年から山形県長井市へ、旦那さんの仕事の都合で一時移住中。料理が大好きな主婦兼働く女性。hakuna_matata_jikoniというインスタグラムアカウントで毎日料理の写真をアップしている。

副代表の内藤(下)は撮影役兼盛り上げ役で参加

AYINA 土屋
ヘレナさん、今日はよろしくお願いします!
え?もうインタビューはじまってるの?
ヘレナさん
AYINA 土屋
あ。はい、はじめようと思ってたんですが…
ちょっと1分ちょうだい!
ヘレナさん

 

(ヘレナさんが突如画面から姿を消す)

 

 

・・・お待たせ!
ヘレナさん
AYINA 土屋
おおお!!わざわざ着替えてきてくれたんですか?

コロナの影響により、オンライン取材ということで、普段着だったヘレナさんですが、取材中の写真を使うということを知り、大急ぎで外出用の格好に着替えてくださいました!

AYINA 土屋
とっても綺麗〜!オシャレですねー!
ありがとう。撮った写真はあとでチェックさせてね!
ヘレナさん
AYINA 土屋
(美意識が私の10倍くらいある…!)そういったアフリカ服はタンザニアでは普段も着るんですか?
ううん。いつもは一般的な服装で、こういう服は教会とか特別な日とかに着ることが多いわね。
ヘレナさん

タンザニアでは共働きで大忙し

AYINA 土屋
ヘレナさんご自身について聞かせてください!出身はどのエリアですか?
生まれはアルーシャという所よ。その後両親が最大都市のダルエスサラームに移って、私自身は大学卒業後ムトワラという南の方の地区で銀行員になったの。
ヘレナさん
AYINA 土屋
家族構成はどんな感じですか?
結婚して子供が2人いるわ。
ヘレナさん

取材中、たまに出てくる3歳の息子さんをあやすヘレナさん

家でジッとするのが嫌いな共働きの主婦

AYINA 土屋
タンザニアについて教えていただきたいんですが、主婦ということで、暮らしのルーティーンに興味があります!
私は主婦でもあるけど仕事もしていたから、朝は起きて料理を作って、早いときは7時くらいに家を出てたわ。
ヘレナさん
AYINA 土屋
おお。共働きだったんですね!
そうなの。家でジッとしてるのがあまり好きじゃないからね。それで帰ってきたらまた家族の食事を作って、家事をして、最後は疲れ果てて寝る、といった感じね。
ヘレナさん
AYINA 土屋
暮らしの面で特に苦労していたことってありますか?
タンザニアではハウスキーパー(お手伝いさん)を雇うことも結構あって、私たちも特に忙しいときは雇ってたんだけど、その子が急に実家に帰りたいと言い出すことがあって、そうなると仕事と家事をしながら代わりのハウスキーパーさんを探さないといけないので本当に大変だったわ。
ヘレナさん
AYINA 土屋
日本みたいにウェブでサッと、という訳にもいかないでしょうし、大変ですね…。

タンザニアで料理するとき、ガスは緊急用

AYINA 土屋
ヘレナさんは料理が好きって聞いていたので、料理についても聞きたいです。日本との料理の違いってありますか?
そうね。まず日本はだいたいガスコンロ常備よね。タンザニアはガスは緊急用なの。高いから。
ヘレナさん
AYINA 土屋
え?じゃあ火はどうやって起こすんですか?
炭よ。家に炭がないというのはあり得ないくらい炭が一般的なのよ。
ヘレナさん
AYINA 土屋
日本では炭ってバーベキューのときとかしか使わないもんなぁ。ちなみに冷蔵庫とか炊飯器とかはありますか?
うちは冷蔵庫はあったわ。でも炊飯器はないから鍋で直接炊くのよ。
ヘレナさん
AYINA 土屋
そう考えると日本はかなり便利に料理ができるんだなー(それでもたまに面倒になる私って…)。料理はどうやって学んだんですか?
タンザニアは、女の子は子どもの頃にお母さんから習うのよ。私も10歳くらいから教えてもらったわね。
ヘレナさん
AYINA 土屋
10歳!早い!私はその頃料理をしていなかった自信があります!笑
平日は学校があるけど、土日は親に料理を作ったりしてたわよ。
ヘレナさん
AYINA 土屋
ひょえー!すごいなぁ。ちなみに得意なタンザニア料理はなんですか?
うーん、たくさんあるけど、強いていえば「ウガリ×ダガー」「ピラウ」「ビリヤニ」かな。
ヘレナさん

ウガリとダガー

ピラウ(イメージ画像です)

ビリヤニ

東京オリンピックのホストタウンを盛り上げるために来日

AYINA 土屋
ちなみに今はなぜ山形県長井市にお住まいなんですか?
旦那(同じくタンザニア人)が母国でスポーツ課の仕事をしていて、東京オリンピックのホストタウンが長井市になったから、その担当として家族で日本にきたのよ。
ヘレナさん

 

実は、山形県とタンザニアの結びつきは深く、国内で唯一の地方友好団体である「山形・タンザニア友好協会」が中核となり、20年以上にわたり交流を深めているとのこと。タンザニア音楽のイベントや写真展、絵画展等の開催をはじめ、総会の開催時期に合わせ駐日タンザニア大使等要人が山形を訪れるなど、現在も民間レベルで活発な交流を続けています。長井市は、タンザニアをホストタウン相手国とする交流計画を策定・申請し、2016年12月9日に政府の登録を受けました。

参考:外務省HPhttps://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/local/page23_003050.html

 

AYINA 土屋
なるほどー。無事開催されるといいなぁ。日本に最初にきたときの印象って覚えてますか?
実は、最初の海外渡航でもあったから、もうなんていうか、オーマイガー!ワーオ!の連続だったわ!
ヘレナさん
AYINA 土屋
言語化されるより衝撃的だったのが伝わります(笑)
最初は少しだけ東京にいたんだけど、巨大な建物が本当にビックリした。ワーオよ、ワーオ。
ヘレナさん

そういえば土屋もよく「ヤベー!」って言ってます

日本のリスペクト文化が素晴らしい

AYINA 土屋
他にも面白いと思った日本の文化ってありましたか?
そうね、着物がとっても美しくて好きだわ。
ヘレナさん
AYINA 土屋
ヘレナさん、着物も似合いそうだな〜。
あとファッションでは、女性はボディラインを結構隠すわよね?あとミニスカートとかはあまり履いてない印象。私もこっちにきてズボンを履くことが多くなったわ。
ヘレナさん
AYINA 土屋
たしかに!ヘレナさんが今着てる服はボディラインちゃんとわかりますもんね!(スタイルめっちゃいいな…)

十何枚も撮ってくださった写真のうちの一枚。ノリノリです(笑)

あとリスペクトの文化もすごいと思ったわ。日本は店員さんが「ありがとうございましたー!」ってしっかり挨拶するじゃない。タンザニアではあんな風に丁寧な挨拶じゃなくカジュアルね。あとお客側も店員さんへのリスペクトを感じるわ。タンザニアだと「ヘイ!」って無愛想な感じで呼ぶことも多いわ。
ヘレナさん
AYINA 土屋
たしかに私も他の国に行って、スマイル0円とかチップもなくこのレベルのサービスを受けられることとかって、良いか悪いかでなく、日本独特だなあと感じました。
一応、タンザニアにも「へシマ」という、年上を敬う文化はあるんだけれど、日本はそれが年代や立場に関係なくあるなという印象ね。
ヘレナさん

今はしまむらのセール品をチェックするほど生活に慣れた

AYINA 土屋
日本で苦労したことはありますか?
日本語が分からないからそれは大変ね。最近バイトを始めたんだけど、仕事は意外とみんな私が日本語話せないってわかってるから、グーグル翻訳を使ってがんばってコミュニケーションとってくれてるから大丈夫よ。「失礼いたします〜おはようございます〜」とかは覚えたわ。
ヘレナさん
AYINA 土屋
いいですね〜!ヘレナさんとっても明るいしコミュニケーション力高いから、周りの人も話しやすいのかもしれません!お買い物とかは苦労しないですか?
今はだいぶん慣れたわ。例えば、ファッションセンターしまむらとかに行ったらセール品が売ってるカゴを真っ先にチェックするわ。町のどこで安い商品を買えるかもだいたい把握してるわよ。
ヘレナさん
AYINA 土屋
すごい!タンザニアでも日本でもプロフェッショナル主婦ですね!

山形しか分からないスーパーの名前で盛り上げる土屋(カットしました)

夢はタンザニアで自分のレストランを持つこと

AYINA 土屋
今後やりたい事とかってありますか?
料理が好きだから、タンザニアに戻ったら自分のレストランをやりたいわ。日本のシステムを取り入れたものにしたい。
ヘレナさん
AYINA 土屋
素敵な夢!取り入れられそうな日本のシステムはありましたか?
さっきも言ったようにカスタマーケアがしっかりしてるところや、機械の呼び鈴システムも取り入れたい。あと、この前はココスのスープバーが美味しすぎて思わず店員さんにレシピ聞こうと思っちゃった。
ヘレナさん
AYINA 土屋
めっちゃ研究熱心ですね!(笑)ヘレナさんがタンザニア料理を教えて、ヘレナさんは日本の飲食店オーナーからシステムを学ぶみたいなイベントできたらいいなー。
それぜひやりたいわ。実は、タンザニア料理イベントは過去にもやっていて、知り合いのカフェでタンザニア料理弁当を作って販売したら70個も売れたのよ。
ヘレナさん
AYINA 土屋
えー!それめっちゃ食べたい!またやりましょうよ!
コロナが落ち着いたらぜひやりたいわ。
ヘレナさん
AYINA 土屋
ヘレナさん、本日はどうもありがとうございましたー!

オシャレなヘレナさんに触発され内藤は最後こんなことになっていました…

ヘレナさんのインスタグラムは画像をクリック(美味しそうなタンザニア料理や美しいヘレナさんがみれますよ!)

 

取材後記

タンザニアでキャリアウーマンとして働きながら、家事・育児もこなしていたヘレナさん。環境も言葉も文化も違う初海外の国に住み、やはり家事・育児以外にも活発に生活していらっしゃるそのパワフルさに触れ、同じ女性として刺激を頂戴しました。

また、個人的にはお買い物の時にセール品のワゴンをチェックするというエピソードに共感しました笑 出身地は違っても主婦の知恵は共通なのかもしれないですね!

 

実はヘレナさんはインタビュー前、緊張しているご様子でした。「旦那の方がこういうの慣れてるし、私何も知らないし…」と。

でも、自分は何も知らないと思っていても、自分は普通と思っていても、もしかしたら他の人にとっては普通じゃないかも?!

自分には何もない…そう思っているあなた!(私もそうです!アフリカ界隈にはもっとすごい人いっぱいいるし…)

生きているだけで、存在しているだけで、その日常を送っているだけで、実は素晴らしいことなのではないでしょうか~ 

 

ヘレナさんにとっては“普通”の毎日が、彼女の家族にとって大事だったり、今この記事を読んでいるあなたにとって特別と感じられたりするのと同じように…

 

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〈取材・文=土屋みなみ(@TsuchiyaMinami)/撮影=内藤獅友〉

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