AYINA JAPANの活動 マラウイ 在日アフリカンインタビュー

マラウイの女子に性教育を!母国の若者のために日本で奮闘するABEイニシアティブ看護学生ドロシーさんの挑戦

日本にも数多くいる在日アフリカンの方にお話を伺い、出身国のことや実際に日本に住んでいて感じること、そしてその方自身のストーリーについて教えていただき、今日から友達になれるくらい近くに感じてもらえるような取材をする企画。

今日から繋がるニッポンの〇〇アフリカンズ(略して「今日アフ」)

今回は、マラウイからABEイニシアティブ生として来日しているドロシーさんにお話を伺いました!

しかし、ここで出てきた疑問。 「マラウイってどんな国だ?」 早速ググりましたが、なかなか出てこない、、せっかくの在日アフリカンとのインタビューなのに、、汗がとマラウイです。

寒いというツッコミは受け付けてません(笑)

しかしそれもそのはず、、日本滞在中のマラウイ人、たったの※110人 (2019年6月)しかいないんです笑

そんなそんな、日本人にとってあまり馴染みがないかもしれないマラウイ、そしてマラウイを変えるために日本で奮闘するドロシーさんの貴重なお話を伺っていきたいと思います!

 

※参考データ(在留外国人統計(旧登録外国人統計) 在留外国人統計 月次 2019年6月 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口)

ドロシーさんについて

【Laina Dorothy Palani】マラウイ出身の27歳。ABEイニシアティブ6期生として2019年9月に来日。現在東京医科歯科大学でパブリックヘルス(公衆衛生)を勉強中。

 

ABEイニシアティブ…アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(African Business Education Initiative for Youth)で、5年間で1000人のアフリカの若者に対し、日本の大学や大学院での教育に加え、日本企業でのインターンシップの機会を提供するもの。

 

列を作って並ぶ日本人にびっくり

AYINA 土屋
今日はよろしくお願いします〜
よろしく〜!!
ドロシーさん
AYINA 土屋
日本に来てからどのぐらいになります??
去年の9月に着いたから、もう9ヶ月になるわね。ABEイニシアティブの6期生として来日したの!
ドロシーさん
AYINA 土屋
もう結構経つんですね!日本での生活にも慣れてきていると思うんですけど、日本での生活で好きなところはありますか?
スマートなところかな。どこも清潔だし、後は交通機関はとってもオーガナイズされてる。あと驚いたのは、みんな列を作ってきちんと並ぶところかな笑
ドロシーさん
AYINA 土屋
確かに珍しいかもです~
あと、日本人は優しくて礼儀正しい!それに仕事熱心だよね。たまに働き過ぎだと思うこともあるけど笑
ドロシーさん
AYINA 土屋
そうですね笑 日本食はトライしました?というかお口に合います??笑
たくさんトライしてるわ。例えば鍋とか、寿司、刺身、お好み焼き。あとそうそう豆腐、それに人形焼も!あとは...(続く笑
ドロシーさん
AYINA 土屋
ほんとにたくさんトライしてますね。生魚とか食べられます?
あ〜刺身ね。私食べるまでそれが生魚だってことも知らなかったの。でも食べた後に友達が、「あれ生魚だよ」って教えくてれて、「日本人は生魚を食べるの?!」ってとっても驚いたわ。でも、私は食べず嫌いじゃないからなんでも食べてみるの。今は刺身も寿司も大好きよ。
ドロシーさん

 

買い物にはグーグル翻訳が欠かせない笑

AYINA 土屋
あ、ということは自分で買い物しに行ってるんですね。

日本で買い物するのって外国人からすると少し大変なイメージあるんですけど、どうですか?

もちろん、いつも悩んでて、グーグル翻訳が欠かせないわ。ローマ字や英語表記がない商品はほんとにそれがなんなのか判断するのが難しい...。諦めてそのまま買ってみちゃう時もあるし、きちんとグーグルで調べて確認してから買う時もあるの。

でもね、最近知った便利な言葉があるの!

ドロシーさん
AYINA 土屋
なんですか?
MILKはどこですか〜〜?MILKどこ〜〜?
ドロシーさん
AYINA 土屋
こうやっていつもチャレンジしてるの!
ドロシーさん

ショックを受けたのは、私を見て隣の人が席を立ったこと

AYINA 土屋
やっぱり苦労もされてるんですね。では、日本に来て嫌な思いをしたことはありますか?例えば差別されたとか…
う〜ん。だいたい電車の中ね。例えば私が座った時、隣に座った人が私を避けて立っちゃうとか。
ドロシーさん
AYINA 土屋
そんなことがあったんですね…
他に大変だったことといえば、銀行口座を作ることかな。英語が話せる銀行員さんがいなくても、何度も通わなきゃ行けなかったの。
ドロシーさん
AYINA 土屋
来日した外国人にとって最初の大きな壁の一つですよね~他の国の友達からも聞きます…

 

看護を学ぶうちに社交的に

AYINA 土屋
次に、勉強について聞いていきたいと思います!マラウイでは看護を勉強していたと聞いたのですが、そもそもなぜ看護を選んだんですか?
もともとは医者になりたかったの!
ドロシーさん
AYINA 土屋
えーーーー!じゃあなんで??
マラウイで医学部に入るための試験科目はたくさんあって、とっても大変だと思ったの。それに医者を目指す人が周りに多かったから、何か人と違いをつけたいと思っていて、看護を学びたいと思うようになったわ。
ドロシーさん
AYINA 土屋
そうなんですね。
それにね、看護を学んでよかったこと思ったこともあるの。
ドロシーさん
AYINA 土屋
なんですか?
私もともと結構シャイだったんだけど、ナースになるから社交的にならないとと思って、でもナースの仕事をするうちに、自然と社交的になったの!
ドロシーさん
AYINA 土屋
それは素敵!
そう!周りはとっても驚いてたわ。「何があったの?!」って。
ドロシーさん
AYINA 土屋
やっぱりナースはエンジェルってほんとですね。人に寄り添う仕事をしていると社交的になりますよね。
ほんとに!エンジェルよ!笑
ドロシーさん
AYINA 土屋
気になっていたことがあるんですけど、なんで日本を留学先に選んだんですか?
まず、とっても安全なこと。マラウイにいる時にネットで検索していろいろ情報収集したの。後は、ドキュメンタリー番組で日本のテクノロジーについて紹介されていて興味を持ったのもあるわね。
ドロシーさん
AYINA 土屋
日本についての番組が放送されてるんですね。驚きです!
あ、あと、病院で働いている時にJICAのスタッフさんがいたの。それも印象に残ってたわ。
ドロシーさん
AYINA 土屋
なるほど。遠く離れた国でも、こうしていろいろ接点があったんですね。ちなみに今は大学行けてます?
今は行けてないわ。ZOOMで授業受けてるの。でも来週からたぶん大学で始まると思うわ。
ドロシーさん
AYINA 土屋
楽しみですね!

 

ABEイニシアティブ後はインターンシップをしたい

AYINA 土屋
次に、今後のことについて聞いていきたいと思います!ABEイニシアティブの後はどうされる予定なんですか??
ABEイニシアティブははじめの半年間は研究生として大学で授業を履修、次の2年間は修士課程正規生として研究をするもので、コースが修了した後も、その後最大半年間はインターンシップなどをして滞在できるの。私も、パブリックヘルスの企業でインターンシップをしたいわ。
ドロシーさん
AYINA 土屋
素敵な目標ですね!

ということは2022年までいられるってこと??

そうよ!
ドロシーさん
AYINA 土屋
わーーい!コロナが収束したらぜひ会いましょう!!
Let’s meet up!!
ドロシーさん

マラウイの性教育を変えたい!

AYINA 土屋
最後に、マラウイに帰国してからのことを聞いていきたいと思います!日本で学んでどんなことをマラウイで活かしたいですか?
女子生徒の教育よ。今、マラウイでは、たくさんの少女が小学校を中退しているの。多くは結婚や妊娠が理由よ。私はこの課題をほんとに変えたいの。少女たちに教育を提供することでこの国の様々な問題が解決できると思っているの。
ドロシーさん
AYINA 土屋
深刻な問題ですね… 具体的にどんなことをしたいと思っていますか?
ちょうど今考えているプランがあって、若者のためのコミュニティとなるヘルスセンターを作ることなの。具体的には、若者のグループを作って、そのセンターで教育を提供するわ。特にアフリカでは少女に性教育をすることはとっても抵抗があって、なかなか難しいの。だけど、少女たちにとって、必要なことだと思っているわ。
ドロシーさん
AYINA 土屋
日本でも性教育はちょっと話にくいトピックですね。
少女たちを状況別に分けてグループを作って、状況にあった教育を提供したいと思っているの。例えば子どもを育てるためにお金を稼がなければ行けない子もいる。それぞれにあった教育を提供することで、早く学校に戻れるように支援したいわ。
ドロシーさん

 

マラウイの児童婚について

マラウイでは2010年から2011年の間に国内の半数もの女性が18歳未満の女性が結婚している。児童婚によって家庭の経済的な問題を解消できるため、親は娘の生殖能力を最大限に活かそうとすることが多いのが現状だ。世界保健機関(WHO)によると、児童婚をした少女は学校を中退することが多く、また性的虐待や配偶者による暴力(IPV)を受けやすい。こうした少女たちは健康面で深刻なリスクを抱えている。 妊娠、出産による合併症は、世界中で15歳から19歳までの主な死因の第2位となっている 。

(参考データ:19歳の少女、児童婚と闘う 11歳で妊娠させられた妹のために...

 

妊娠した少女は差別を恐れて病院にも行けない

AYINA 土屋
大切なことですね。そうしたコミュニティはまだマラウイにはないんですか?
ちょうどマラウイ政府は政策として、そうした若者を支援するセンターを作ることを打ち出したの。課外教室みたいな形で、クラブって呼ばれるんだけど。でも課題があって、政策を打ち出したとしても、実施は地域によって大きな差があるの。だから実際、施設はまだほとんどないと思うわ。
ドロシーさん
AYINA 土屋
まだまだ広まっていないんですね。
妊娠した少女は差別を恐れて病院にも行けないの。病院に行ったら行ったで、「なんで学校じゃなくてこんなとこにいるの?」「どうしてコンドームをきちんとつけられなかったの?」って責められるのがわかってるから。
ドロシーさん
AYINA 土屋
なるほど…とっても深い問題ですね。
もっといえば、妊娠した少女に限らず、普段から少女たちは病院に行かないの。だから、性に対する知識がないまま妊娠してしまうことがたくさん起こっているの。だからこそ、性教育をすることは大切で、HIVなどの感染症についての知識をつけて予防できたり、家族計画について学ぶことで子どもの数や時期を調整できるようになったりすると思うの。
ドロシーさん
AYINA 土屋
病院や学校では学べないことを教えようとしているんですね。
そうなの。さらに、コミュニティとしてそうした若者がつながれるようなインタラクティブな場にしたいと思っているの。拠り所になるような場所を作りたいわ。
ドロシーさん
AYINA 土屋
素敵な目標ですね!ぜひ一緒に取り組みたい。
ありがとう!
ドロシーさん
AYINA 土屋
今日は貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!またコロナが収束したら会いましょう!!
こちらこそ、ありがとう!ぜひ会いましょう!!
ドロシーさん

 

最後に

マラウイを変えたいと本気で思い、はるばる日本まで1人できて精力的に学んでいるドロシーさんは本当に強い方だなあと思いました。支援に頼るのではなく、現地の人が現地を変えることが最もパワーがあるのではないかとお話を聞いて感じました。ぜひ私たちも、ドロシーさんのような熱い想いを持った在日アフリカンズの方々を今後もサポートしていきたいです!  

 

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〈取材=土屋みなみ(@TsuchiyaMinami)/文=柳田美聖(@miismiel)/撮影=内藤獅友(@Naikel0311)〉

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