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ブルキナファソの農村を変える!〜農業×ITで課題解決に取り組む、山形大学大学院Nindiaさんの挑戦〜

こんにちは!
AYINAのみさとです。

今回は、山形大学大学院で農業を研究するNindiaさんにたっぷりお話を伺いました!
生まれたばかりの息子を残してまで毎日研究に励むNindiaさん。

母国ブルキナファソから遠く離れた日本で何を研究しているのか、なぜ日本で研究しているのか、秘めた熱い想いにせまります。

Nindiaさんの挑戦についてはもちろん、アフリカ出身者の日本のカルチャーショックも意外でした。

では早速インタビューに移ってみましょう!

 

AYINA みさと
はじめまして!今日はよろしくお願いします。
はじめまして!よろしくお願いします。

ブルキナファソ 出身。大学で生物学と化学を専攻し、大学院では植物生物学と生理学を研究する。その後、専門学校で農業エンジニアリングのディプロマを取得し、2015年から5年間政府農業機関で勤務。その後、他の専門分野を身につけるため、ABEイニシアティブで来日し、現在山形大学大学院でアグリサイエンスを研究中。

 

水不足に悩む母国のために、灌漑を研究しに日本へ

AYINA みさと
早速ですが、日本に来ることになったきっかけを教えてください。
灌漑をより専門的に学びたいと思い、技術力のある日本で学ぼうと思いました。今は、山形大学大学院でアグリサイエンスを研究しています。
AYINA みさと
灌漑を研究されてるんですね。なんで灌漑なんでしょう?
母国ブルキナファソは海に接していない内陸国です。さらに、サハラ砂漠にもとても近いため、時より水不足に悩まされるんです。

灌漑を学ぶことによって、水という大切な資源を上手に管理することができると感じていました。仕事だけでなく、自分の国も助けられると思い、学んでいます。

AYINA みさと
あれ、お仕事は何かされていたんですか?
政府農業機関で5年間働いていました。私のバックグラウンドは農業から始まったんです。

政府農業機関のオフィスで勤務するNindiaさん

AYINA みさと
日本でいう農林水産省で勤務されていたんですね!エリートだ!(笑)

今は大学院で研究されていますが、大学時代は何をされていたんですか?

まず、生物学と化学を大学で学びました。

その後、大学院で植物生物学と物理学を研究し、専門学校で、農業エンジニアリングのディプロマを取得しました。

AYINA みさと
おおおお......すごい経歴。学士や修士の取得に加えて専門学校にも通われた後にまた日本の大学院で研究されているんですね!そこまで農業に熱い想いがあるのはどうしてですか?
二つ理由があります。一つ目は実家が農家なんです。なので子どもの頃から植物に興味がありました。

二つ目は自然が大好きだからです。日本とは違ってブルキナファソは多くの自然が残されています。幼い頃から広大な自然と触れ合って過ごしてきたので、農業への興味は必然的でしたね。

AYINA みさと
なるほど……。東京で生まれ育った私は自然に触れる機会がほとんどなかったので、そうした環境はとっても魅力的です!
そうですね。広大な土地の中に、いたる所に山があり、いつでもジャングルに行くことができました。野生動物もたくさん見ることができるんですよ!

 

山形大学大学院で1日14時間以上研究に励む

AYINA みさと
続いて、日本での大学院生活についてお聞きしたいと思います!今も研究室にいらっしゃるんですよね。(インタビュー時刻:夜の9時)
そうです、今も研究室です。大体朝の9時から夜の11時までいます。
AYINA みさと
え、そんなに長く?!
少なくとも1日14時間〜15時間ぐらいは研究室にいると思います。
AYINA みさと
そんなに研究することがあるんですか?(ラボがなかった文系学部生(笑))
忙しさは季節によって違います。植物は夏の方が生育しやすいので、夏の方が忙しくなります。毎日研究室に来て実験結果をモニタリングし、得たデータの分析を地道に繰り返しています。
AYINA みさと
今はどんな研究をされているんですか?
点滴灌漑を使用した、廃棄処理水と堆肥化された下水汚泥によるコメの栽培を研究しています。
AYINA みさと
ほう......ムズカシイデスネ(笑)
この研究の目的は大きく二つです。まず、化学肥料の使用を堆肥と処理された廃水の栄養素で完全に置き換えることです。

もう一つが、稲作における水使用量の削減です。ご存知の通り、稲作は大量の水を使用します。これを点滴灌漑という、水や肥料の消費量を最小限にする灌漑方式を用いて、改善を目指しています。

AYINA みさと
なるほど……つまり、水をリサイクルして使っているということですか?
その通りです!下水と下水汚泥には、植物の成長には欠かせない栄養素が豊富に含まれているんです。堆肥化することで循環させることができるんです。
AYINA みさと
廃水や汚泥を利用して栽培できたら持続可能な農業が実現できそうですね。灌漑の方法によって、節水できることも知りませんでした。ワクワクします!

研究環境はどうでしょうか?一緒に研究している方は留学生が多いんですか?

研究室には20人以上所属していますが、留学生もたくさんいて、ベトナムやセネガル、インドネシア、カンボジアの留学生と一緒に研究に取り組んでいます。

名古屋の農家を訪れ、ビニールハウス修復を手伝う

AYINA みさと
同じ境遇を理解できる仲間がいるのは、頼もしいですね!研究の他にも活動されていると聞きました。どんなことをしていたんですか?
去年の9月には名古屋で農業インターンシップをしました。その年、台風でビニールハウスが壊れてしまっていたんです。みんなで修理を手伝いました。
AYINA みさと
素敵な活動ですね!農家さんもきっと助かったでしょうね。

アフリカでは男性は料理をしない?!

AYINA みさと
続いて、日本での日常生活についてお聞きします!そんなに長時間研究室にいるということは、今は大学の近くに住んでいるんですか?
大学の近くの寮に住んでいます。
AYINA みさと
料理や家事もご自分でされるんですか?
もちろん自分でしています。特に料理は今までしたことがなかったので、苦労しました。アフリカでは男性が料理することはほとんどありません。
AYINA みさと
アフリカの料理を作るんですか?
ときどき作るんですが、アフリカ料理の材料を日本で手に入れるのはとても難しいです。東京でアフリカの食材を販売している女性がいるので、オンラインで購入しています。
AYINA みさと
アフリカの食材を扱っているお店があるんですね!教えてくださーい!(笑)

ちなみに得意料理はなんですか??

それは難しい質問!(笑) 先ほどお話したように、アフリカでは一般的に男性は料理をしません

お母さんや、結婚したら奥さんが作ってくれるのが一般的なので、男性は料理の仕方を知っていても実際に作ったことがない人が大半です。

AYINA みさと
確かにアフリカで調理している男性は見かけなかったかもしれません。
毎日レストランに行くわけにもいかないので、生活のために簡単に作っています。

高齢者が働く日本文化にカルチャーショック!

AYINA みさと
続いて、日本で受けたカルチャーショックについて教えください!遠く離れた日本とアフリカでは文化の違いがたくさんあると思うのですが、何が一番気になりましたか?
たくさんあるのですが、高齢の方が自分で買い物に来ていたことです。
AYINA みさと
お、この視点は初めて聞きました!
ちろん文化の違いが大きいと思いますが、私の国では、高齢になると、どんなものでも子どもが代わりに買い物に行きます

なので、いつも高齢の方が一人で買い物に来ているのを見ると、「なんで子どもや孫に頼まないで自分で来るんだ。家にいればいいのに……」と思ってしまいます。

AYINA みさと
核家族化している日本では、近くに親戚がいないことも多いですもんね。
また、高齢の方が働いているのも衝撃を受けました。大学に来たときに、キャンパスを掃除しているのはいつも高齢の方です。
AYINA みさと
そうですね、当たり前のように感じていましたが、身近に高齢の方が働かれていますね。
アフリカでは人口の半分以上が25歳未満の若い世代です。そのため、高齢になると、若い世代に職を譲ろうと考えるようになります。
AYINA みさと
確かに日本では高齢になっても働かないといけない理由が経済的にも文化的にもあると思います。Nindiaさんは60歳を過ぎても働き続けたいですか?
絶対嫌です!(笑) ブルキナファソではリタイアは60歳です。もし自分が会社を立てたとしても、60歳で事業から身を引きたいです。若い世代がたくさんいるので、世代交代していくことが大切だと思います。

日本で学んだ農業テクノロジーでブルキナファソの農家を助けたい

穀物の植え方を実践しながら農家に教えるNindiaさん

AYINA みさと
将来のお話が少し出たので、今後について聞いてみたいと思います。将来の夢やプランはありますか?
日本に来る前から変わらない夢を持っています。一つ目は、NGOや※FAOで働きたいです。

※FAO(国際連合食糧農業機関)FAとは、開発途上国を中心に貧困と飢餓に苦しむ人々の栄養状態と生活水準を改善することによって、すべての人が健康な生活を送ることを目指しています。

引用:FAO駐日連絡事務所 Liaison Office in Japan,”FAOについて”(参照2021-05-20)

AYINA みさと
おお!
それだけでなく、絶対に自分の会社を作りたいです!これは私の人生のメインプラン。
AYINA みさと
おお素敵!どんな会社を作りたいんですか?
それはもう絶対、農業の会社です。日本は農家が既に使用している先進技術があり、これは私の国とは大きな違いです。ブルキナファソは発展途上国なので、農業テクノロジーに全くアクセスできていない人たちもいます。だからこそ、農業知識だけでなく、新しい農業テクノロジーを提供できる会社を作りたいです。
AYINA みさと
農業で、人を、国を支えようとしているんですね。
農家さんを包括的なサポートで支えていくことが私のゴールです。
AYINA みさと
とても素敵なビジョンですね。お話を聞いていてワクワクします!

ブルキナファソに残した子どもたちに会うのが楽しみ

AYINA みさと
ちょっとパーソナルなことを聞いてみてもいいですか?(笑)

今度は仕事ではなく、Nindiaさんのパーソナルな目標はありますか?結婚とか!

Ohh、言ってなかったけど、もう結婚しているんです!妻と2人の子どもがいます。
AYINA みさと
ブルキナファソにいらっしゃるんですか?
そうなんです。4歳の娘と、1歳になっていない息子がいます。

実は、息子にはまだ一回も会ったことがありません彼が生まれた時、もうここにいたからね。

AYINA みさと
え、子どもたち残して一人で日本に来たんですか?!
連れてくることもできたんだけど、妻もブルキナで仕事があるし、

まあ2年間だったら連れてこなくてもいいかなって思いました。

AYINA みさと
すごい......早く会いたいですよね。
でも実は来月末、ブルキナファソに帰ろうと思っているんです!リサーチのために。だから家族と会えるのがとても楽しみです!
AYINA みさと
うわ〜〜素敵ですね!!帰国する前にぜひ会いましょう!アフリカ料理会しましょう!!(笑)
ぜひやりましょう!!
AYINA みさと
楽しみです!今日はありがとうございました。
ありがとうございました!

終わりに

いかがだったでしょうか?

夢に向かって、精力的に研究に取り組み、力強くお話してくださるNindiaさんの姿が印象的でした!

日本で学んだテクノロジーが、ブルキナファソの農家さんのために活きる未来にワクワクしますね!今後のNindiaさんの活動に目が離せません。

AYINA一同、これからもNindiaさんを応援していきたいと思います!

一番盛り上がったのはアフリカンフードのお話

インタビュー、記事執筆:柳田美聖

サポート:高畑花帆

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