副代表の内藤です。
今回は、僕の後輩隊員にあたる、
元青年海外協力隊でルワンダ派遣の大江里佳(おおえさとか)さんにインタビューさせて頂きます!
内藤(以下な)「こんにちは!」
大江(以下お)「こんにちは^^」
協力隊としてのルワンダ渡航は何と3度目だった
な「いきなりですが、読んでもらってるみなさんに、簡単に自己紹介していただいてもいいですか?」
お「地元愛知県の高校を卒業した後、
自分のことを誰も知らない新しい環境に入ってみたいと思い、
関東の私立大学に入学しました。
それまで自分が周りにどう思われているとか
そうゆう自分にならなきゃとか思ってしまう性格だったので、
そんな殻を破って自分らしくなりたいという思いが強かったのを覚えています。
専攻は教養学部国際学科で漠然とですが、日本以外の国に興味があったので、
外国のことを学べるその学科を志望しました。
1年の夏にフィリピンに短期のボランティアへ行ったことがきっかけで、
世界の途上国に関心を持ち始めました。
3年次にはアフリカゼミに加わり、
そこで教授に誘われた学科の翌年から始まるルワンダに関する
プロジェクトの視察で、2週間のルワンダの渡航に参加しました。
それに続く翌年のプロジェクトでも再び2週間ルワンダに滞在。
卒業後、一旦は民間企業に就職し、2年間勤務しましたが、
ルワンダで感じた現地の人たちに魅了された気持ちが忘れられず、
協力隊という道を選び今に至ります。」
な「簡単に言ってたのに、きっちりしてくれてありがとう(笑)。
おかげで、大江さんのプロフィールは皆さんもよくわかってくれたと思います。
あ、つまり、ルワンダへは協力隊で3回目の渡航だったんだね。
で、さらに今回協力隊終わって、
またルワンダに一旦戻ったみたいなんですけど、どうしてですか?4回目ですね!」
大江里佳としてルワンダに戻りたい
お「7月に帰国して1カ月くらい経って、
やっぱりルワンダって自分の肌にとっても合ってたんだな〜
って感じたんです。
それでもうルワンダへのチケットを検索せずにはいられなくなっていていました。。。笑
他にも理由はあったりしたんですが、
一番にはこの想いが強く私の背中を押しましたね。
''途上国に行く”っていう感覚ではなく、
本当に単純に自分のお気に入りの場所に旅行に行く感覚でした。
もう一つは純粋に何にも所属していない自分で、
ただの大江里佳という人としてルワンダを感じてみたいとも思いました。
協力隊で行っていた時は、
国際協力という大前提を常に自分の背中に背負っていたので、
その想いで活動を進め、地域の人とも接してきました。
それを励みに頑張ってこれたことは言うまでもありませんが、
この枠から抜け出してなんの肩書きもない状態でこの国を見たり、
ルワンダ人と接してみれたらな〜、と思う瞬間が度々あったんです。
そんな理由で戻ることになった今回のルワンダでの滞在は、
私にとってすごく貴重で新鮮な時間になりました。」
ルワンダにはダンスで食べていける人は殆どいない
な「うわー!”自分のお気に入りの場所に行く感覚”とか、
肩書きもない状態で接したいっていうのは非常にわかるわーーー!
で、実は今回さとかちゃんのFacebookで流れてきたカッコイイダンス動画を見て、
なんでこんな活動をする事になったのか、
非常に気になってインタビューさせてもらったんですが、教えてもらえますか?」
お「このダンス動画は私が提案して始まった活動ではなく、
あるダンスチームの作品の撮影に参加させてもらって一緒に踊ったものなんです。
日本のダンスシーンも似たような事が言えるのかもしれませんが、
ルワンダでもまだまだダンスレッスンを持つスタジオやジムは限られており、
それだけで食べていけるようなダンサーは中々いません。
ダンスシーンも近隣のアフリカの国(ウガンダ等)に比べてまだ小さく、
そんな状況を変えていく為に、
彼らダンサー(特に首都Kigaliに多い)は
自分たちのチームや個人の活動の一環として、
彼らの存在を多くの人に知ってもらったり、
パフォーマンスを見てもらう為に
自分たちでプロモーションビデオを製作し、
YoutubeやFacebook,Instagramなどを利用して拡散するなど、
それを仕事に繋げられるよういろいろな事を企画しているんです。」
ルワンダダンスに興味を持ち、自分で調べて出会った
な「へー。近代的というか拡散の仕方が日本とかと変わらないよね。
でもそもそもどうやってその人たちと出会ったんですか?」
お「私自身も踊ることが大好きなのですが、
ルワンダに来て初めて、
日本では見たことのないようなスタイルのダンスをよく見かけることがあり、
これはなんというダンスのジャンルで、
どうやって踊るんだろうと興味を持ちました。
ネットでいろんな情報や動画を調べていくうちに、
キガリにダンサーがたくさん集まる練習場所の様なコミュニティがある事を知り、
それがきっかけとなって今回一緒に踊ったメンバーとも出会うことができたんです。」
な「いやー興味を持つまでは結構みんなすると思いますが、
実際に調べて出会って、そして踊っちゃうってところがたくましい!
ちなみに今回二つ動画をアップしてたと思うんですが、
コンセプトみたいなのがあったら教えてもらえますか?」
ダンスから始まり、ダンスを超えた”仲間”に
お「4人のチームで踊っている動画と2人で踊っているものがあると思います。
最初の動画は、ルワンダの首都キガリのニャミランボという地域で
主に活動をしているチーム”Afro k.a.s.a”と一緒に踊らせてもらったものです。
先ほど話した様に、このチームも今までにたくさんのダンス動画を作っており、
今回もそれにならって新しいチーム動画を作るという話でした。
振り付けに関するコンセプトは特に聞いていませんでしたが、
代わりに嬉しかったエピソードがありますので、お話しさせて頂きます。
彼らとは今年の1月、まだ隊員時代の頃に出会いました。
その頃から一緒に踊れたらいいね!
という話はしていたのですが、もちろん隊員の活動がありましたし、
私の住んでいた所から首都まではバスで2時間掛かったので、
中々まとまった時間を作ることが出来ずに日本への帰国となってしまいました。
そこで今回の滞在ではフルに自由な時間があったので、
彼らの練習時間である平日の午前中の練習に毎回参加することができ、
ずっとやりたかったアフリカンスタイルの踊りを教えてもらえることになったんです。
顔見知りとはいえ、
それまで深い話をしたり何か一緒に時間を共有したことがほとんどなかったので、
今回の2週間のまとまった時間はとても貴重でした。
最初のうちはお互い遠慮してどんな事を考えているかわからなかったのですが、
毎日一緒にダンスを通して、同じ時間を共有することで自然と距離が縮まっていったのを良く覚えています。
時にはダンスへの熱い想いを語ってくれたり、
実家に招いて家族を紹介してくれたり、
生活をする為にやっている他の仕事場を案内してくれたり。
とっても幸せな時間でした。
練習に関しては チーム動画に使用する振り付けのチーム練習に、
私や他にも彼らにダンスを習いたいルワンダ人を混ぜてくれて、
一緒に踊りながら教えてくれます。
是非そのビデオで一緒に踊れたらという気持ちは山々でしたが、
他にもそう望んでいる人はたくさんいて、
私もその彼らと同じ様に練習を見てもらって
彼らからの言葉を待とうと黙々と練習しました。
後半に差し掛かってきた頃、
チームがそれまで一緒に練習してきたメンバーを呼び掛けて
話し合いが設けられました。そこで彼らは私たちに、
今回のビデオはチーム”Afro k.a.s.a”としてのもので、
誰かとのコラボビデオではないんだ。
だからチームとしての誇りを持たなくちゃいけないし、
一定のレベルも求めていかなければいけない。
これからもここに来ればいつでも教えるし一緒に踊っていくけど、
今回ビデオで一緒に踊れる人は限られてしまうことをわかってほしい。
そう言って一人一人に答えを伝えていきました。
私はこの時点でもうこんな貴重な話し合いの中に
自分がいれていることに感激でした。
そして練習の甲斐もあり選ばれた2人のうちの1人に入ることができたんです。
なによりも嬉しかった事は、
外国人枠みたいな優先された所からではなく、
彼らのチームの一員として認めて加えてもらえたことでした。
そんないろんな想いのこもった作品になっています。」
ルワンダと日本のコラボダンス
な「2週間とは思えない濃い期間でしたね。
ダンスという枠を超えて、仲間として認められているのがわかりますね。
彼らの本気度はもちろん素晴らしい事ですが、
その彼らに認められるほど、さとかちゃんも本気だったんだね。
もう一つの動画について教えてもらえますか?」
お「もう一つの動画は、
チームAfro k.a.s.aの1人のダンサーと一緒に作った作品です。
彼と練習をしている時に、
せっかくルワンダと日本のバックグラウンドをもった2人が出会ったんだから、
それを表現した振り付けをつくってみない?と話をしてくれました。
アフリカンスタイルの振り付けをベースにして、
私がずっとやっていたロックダンスの振り付けもミックスし、
所々にルワンダの伝統ダンスや
日本のソーラン節や阿波踊りの振り付けを入れています。
そんな振り付けからこのビデオネームが”Rwanda meets Japan”となっています。
こちらも中々ない組み合わせで私にとってもすごく思い出深いものになりました。」
な「動画見させてもらいましたけど、
僕もソーラン節とか阿波踊りは一応できますが、
こんなにもかっこよさに違いが出るのか!と思ってしまいました。
今後もどうやってルワンダと関わっていきたいとか目標みたいのはありますか?」
違った環境で育った若者が交わえる場を作れたら
お「今回は個人的に訪れた際のダンスの話をメインに
インタビューを頂いたのですが、
隊員時代に関わっていた分野である、
住民が抱えている地域給水の問題にも関心がありますし、
地方の貧困層の人々の生活レベルが少しでも上がる様な
取り組みを自分なりに考えていけたらいいなと考えています。
また隊員時代にたくさんの異なる環境にいる子どもたち、青少年を見てきました。
その中で感じたことが、
生活に余裕のある家庭に育ち、
高校や大学を卒業してきた若者と貧しい家庭で育ち、
早い段階で学校に行くことを諦めて働いたり、
家の手伝いをしなければいけなかった子たちとが関わり合う場が
あまりない
と思ったのです。
私の地域では誤った偏見から差別される人たちも見られたので、
彼らの家庭に育ってきた子どもたちも然りです。
そのような若者が集まって、
ダンスやスポーツなどを一緒にできる
地域のコミュニティのようなものがもっとできたらいいなと。
そこで異なる価値観やバックグラウンドなど、
多様性や共生について考える場に繋がっていくことが理想ですね。
まさに私がルワンダにきて学ばせてもらったことです。
まだやっていきたいことが、上手くまとまっていませんが、
これからも長い目で身を据えてルワンダと関わっていくつもりです。」
な「なるほど。確かに格差がある子供達が交わりあう場ってあまりないかもしれない。
それも現地に溶け込んでいたからこそ気付けた事ですね。
そこを繋ぎ、交流していけるのはダンスなどの文化的なもの。
大賛成ですし、めちゃめちゃ応援しています!
これからもさとかちゃんらしい活動をしてください!
ありがとうございました!」