みなさんこんにちは!!
新年はいかがお過ごしでしょうか?
ホームステイ先で新年を過ごした私は、
すっかりホームステイ先の家族とも打ち解けてベナンのお正月を満喫しました!
ベナン現地企業で3ヶ月間インターンホームステイ vol.01はこちら
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ホームステイをしていていいなと思うことは、ホームステイ先の家族やその友達と仲良くできること、ベナン人の日常に溶け込めることです。
そうすると、旅行や観光では聞けないようなベナンの現状や人々の考えを直接聞ける機会がしばしばあります。
これまで聞いたことを全て書いてしまうとみなさんがベナンを訪れた時の楽しみがなくなってしまうので、今回はそのうちの一つだけ紹介したいと思います。
テーマはずばり、「言語」です。
ベナンはかつてフランスの植民地だったため、現在でも公用語はフランス語です。
私も普段ホームステイ先ではフランス語で会話をしています。
ちなみに私のフランス語レベルが高いわけではなく、私がフランス語を理解できていない時は言い直したり、簡単な言葉で言い換えたりしてくれるベナン人の優しさに救われてコミュニケーションを取ることができています。
ちなみにホームステイ先には英語を話せる人もいるので、困ったら英語で話すことも可能です。
というわけで話が反れましたが、私の周りのベナン人はフランス語を自由自在に操ります。
それもそのはず。
小学校から教育はすべてフランス語で行われる上に、会社でもフランス語を使い、テレビドラマやラジオもフランス語で聴き、新聞も本もフランス語で読みます。
しかし、ベナンの言語はフランス語だけではありません。
ベナン人の中には46の民族がいると言われ(外務省HPより)、数十の現地語が存在します。
私のいるベナン南部に多いのは、フォン語を話すフォン人です。
ホームステイ先でも、家族同士の会話はフランス語ではなくフォン語でなされることも多々あります。
小さなお店や市場でも、フォン語が飛び交っています。
私のホームステイ先の家族も、よくフォン語で話しています。
ただし、街でフォン語を見ることはほとんどありません。
ホームステイ先の家族のだれも、フォン語で読み書きをすることはできません。
なぜでしょうか?
特に、日本語で読み書きをし、日本語で話すことが当たり前な人にとっては不思議に感じるかも知れません。
ホームステイ先の家族曰く、フォン語での読み書きが浸透していないのは、学校で習わないからだそうです。
ベナンでは小学校からすべての教育がフランス語で行われます。
フォン語を学ぶ時間はありません。
フォン語の会話は、家で覚えます。
だから、フォン語を読めないし書けない。
その上、学術的な話題、複雑な話題をフォン語で話すことは難しいそうです。
数学も、歴史も、化学も、全部フランス語で習うため、そういったことをどうフォン語で表現するのかフォン人にもわからないそう。
難しい話題を話すことも、読み書きもフォン語ではできず、フランス語に頼るしかない。
したがって、冒頭で触れたように自然と、読書も新聞もテレビもラジオも、インターネットだって、フランス語を通して情報を受け取るようになります。
では、学校に行けなかった人はどうなるでしょうか?
学校で習うはずのフランス語を学ぶことはできません。
フランス語を操れないということは、上記の状況を考えると、本、新聞、ラジオ、インターネットなどといった情報にアクセスできないということになる、とホームステイ先の家族は言います。
問題は学校に行く機会に恵まれなかった人だけではありません。
フランス語を流暢に操るホームステイ先の家族も、現状を不満に思っています。
なぜ自分たちの言語で教育を受けることができないのか、読み書きをすることができないのか。
日本語で教育を受け、日本語で読み書きをすることが当たり前だと思っていた私は何も言えませんでした。
もちろん、グローバル化が進む昨今、英語やフランス語で教育を受けたり、情報を得たりする方が良いという意見もあるでしょう。
ホームステイ先の家族も、私も、そうした意見を否定しているわけではありません。
しかし、ベナン人は現代のグローバル化以前の、植民地時代からずっとこうしてフランス語を生活の中に組み込まれてきました。
この点に不満や怒りを感じている、とホームステイ先の家族は話してくれました。
これまでのブログと比べ、少しマイナスなイメージの文章になってしまったかも知れません。
ベナンを訪れたことのない方にも、ベナンの様々な面を知ってもらいたいと思い今回はこうした内容を書かせて頂きました。
ホームステイを通して、表面的な交流を超えた会話をすることができ、現地についてより深く知ることができるということを少しでも感じてもらえれば幸いです。
きっと、訪れる国、地域、ホームステイ先などによって異なる話や意見を聞くことができるでしょう。
何より、自分の過ごしてきた環境とはまったく違う環境に飛び込み、現地の方と日常を共有することで、観光だけでは味わえないほど深く現地の人や文化に関わることができるのがホームステイの醍醐味です。
機会があればぜひ挑戦してみてください!