みなさんこんにちは!NPO法人AYINAのサポートメンバーのあつです。
今回も在日アフリカンの方にインタビューしてきました!
※私のTwitterのアカウントはこちら→(https://twitter.com/Atsu_loveAfrica)
この企画では、日本に16,000人いるといわれている在日アフリカンの方にフォーカスを当て、その方の魅力、出身国のリアルな話、日本に住んでみての感想などを教えてもらいます。
この記事を通じて、アフリカに関連する方々の魅力とアフリカ各国について知って頂けたら嬉しいです。本記事は第三部で、第一部、二部からつながっているので、
ぜひそちらも読んでください!
今回は、マラウイ人のお父さまと日本人のお母さまとの間に生まれたカニャさんです!
【プロフィール】ジンバブエの首都ハラレで生まれ、数年間南アフリカで過ごした後2歳から日本で育ったピリカニャー(Phiri Kanya)キーソ荘平さん。小学校から高校までバカロレア教育を受けていたこともあり、日本語と英語を操るバイリンガル。ご自身に兄弟はおらず、現在は奥様とお子さんの3人で愛媛県に暮らしており、IT系の会社
大学はオーストラリアに行ったものの、恩師といえるような人には
巡り合えず日本に戻ってきた話や、ご自身が幼い時のベビーシッターの娘さんが愛媛と
関係があった話など、様々なエピソードや偶然?必然?を通して、
今の会社に入ることになったというカニャさん。
そんな面白くも壮絶な人生を歩んできたカニャさんに、
農業プログラムやこれまでの経験、アフリカの未来などについて深掘りしてきました!
カニャさんとAYINAメンバー
乾期が8ヶ月もあるマラウイの農業を変えるのは愛媛の自然農法?
AYINA 土屋
今までの話は、マラウイから日本へっていう矢印だったと思うんですけど、今度は日本からマラウイへっていう矢印で何か考えていることなどはありますか?
ああー、たくさんありますよ(笑)。長くなりそうですが、1つ1つ説明していきますね。
カニャさん
AYINA 土屋
1つ目が、「フェローアースプロジェクト」というもので、マラウイでやろうと思っています。その中でも1つが、マラウイには乾期と雨季があるんですけど、その雨季に付加価値の高い農作物の栽培をして、収入を増やすというものです。
カニャさん
AYINA 土屋
はい。あとこっちがメインなんですけど、先ほども何度か話した自然栽培の良い点を取り入れた栽培をしようと思っていて、それは無肥料かつ無農薬でやるつもりです。マラウイ全体では森林伐採が増えていてこれが大きな問題なんですね。日本は森林が多いと思うんですけど、マラウイでは国土の2~3割ほどしか森林がないのにもかかわらず、それが年数%で減っているんです。森がないと土壌も悪くなってしまいますよね。
カニャさん
AYINA 土屋
確かにー!それは土地にも大きな影響が出ちゃいますよね。
そうなんです!マラウイの乾季は8か月間もあるんですよ。その期間農家さんは一切農業ができず、1日1ドル以下で暮らしている人が多いんです!
カニャさん
AYINA 土屋
えー、そんなに長いんですか!1年の3分の2は農家なのに、農業ができないなんて!
本当に驚きますよね。だからこの状況を打開するために、乾季にも農業ができるようにならないかと考えたんです。乾季には出稼ぎや都市部の裕福な家庭にメイドとして働きに行ったりする人もいるんですけど、多くの農家さんは基本的に何もしないで過ごすんですね。ただ川沿いの人たちは乾期でも農業できます。だけど、川沿いの農家さんでなくても乾季に農業をできるようにしたいんです!
カニャさん
AYINA 土屋
はい。それで、乾季でも朝の3時~6時は湿度が90%くらいなので、朝露で草も濡れているんです。だからこれを活かしたいと思っています!
カニャさん
AYINA 土屋
共感するAYINAメンバーとカニャさん
そうなんですよ!!例えば、雑草が朝露をためて昼間でも枯れないようにできないかなーと考えています。木を植えるなどして日陰を作って、湿度を高めるという方法も模索しているところなんです。
カニャさん
AYINA 土屋
ありがとうございます!今のところ私が知っている限りこれを現地でやっている人はいないので、自分ができたらとても画期的なことになると考えています!
カニャさん
AYINA 土屋
マラウイの現地の農家さん1500人くらいと提携しているマラウイ人と連絡を取っていて、この事業をやろうとしている最中なんです!
カニャさん
AYINA 土屋
ありがたいですよ!その提携しているマラウイ人というのが、マリーさんという現地の女性の方なんですね。
カニャさん
AYINA 土屋
はい!現地の農家さんには、条件として3~5年は収益が見込めないよということなどを伝えた上でやっています。だから基本的には資金的な余裕がある人がやる形になります。他の農家さんが彼らのやっていることを見ると、「お前ら何やってんの?」という感じみたいですが、それだけクレイジーであればあるほど、ニッチで特有なものであるので、現地で引き受けた農家さんもクレイジーと言われることは嬉しいそうです!
カニャさん
AYINA 土屋
そんな話があったんですね!おもしろい!自然農法というのはカニャさんがどこかで見つけたんですか?
※自然農法や自然栽培とは…肥料・農薬を使用せず、種も自家採種をして増やしていく、生産者にとって金銭的負担の少なく、消費者にとっても地球にとっても安心・安全な野菜やイネ科の作物を栽培する農法(特にカニャさんがマラウイで行われている)。肥料・農薬の使用されていた農地というのは自然な状態に戻るのに平均3-5年土壌改良の時期を経る必要があります。この時期は収量も期待できず、農家さんにとっては大変困難な期間になります。(マラウイでは肥料・農薬・種子を大企業から購入し、低価格でブローカーに収穫物を販売するという農家さんにとって不利な農業の環境があります。)
参考文献:たべるとくらすと「自然栽培(自然農法・自然農)とは?」
https://taberutokurasuto.com/columns/agriculture/19020807076/
自然農法は今では海外にも広がっているんですけど、これも実は偶然で、愛媛に自然農法のカリスマ的な存在がいたんですよね!
カニャさん
AYINA 土屋
えー、素晴らしい!でも、それを活用しようとしたのはカニャさんですね!それも素晴らしいと思う!
カニャさん
マラウイの人としっかりとしたネットワークをもつカニャさん
ナイジェリアでの農業プログラムやクラウドファンディングも構想中
AYINA 土屋
上記のマラウイでの事業の話に続いて、他にやっていることはありますか?
はい、最後にナイジェリアでの農業プログラムというものがあります!ナイジェリアでは雨季が半年~8か月ほどあるし、土壌も良いので、確実にリターンが望めるんです!だからそのうちの利益を、学校建設の費用などに少し当てようと思っています。
カニャさん
AYINA 土屋
マラウイと違って、ナイジェリアではそんなに雨季が長いんですね!
そうなんですよ!うらやましいです(笑)!だけど、アフリカでは横のつながりが弱いんです。つまり、みんなのためになることをしようとする人が少ないんですね。だから、この事業を2021年にやりたくて、各部族の首長と交渉していく予定です。彼らは権限が欲しいので。
カニャさん
AYINA 土屋
ありがとうございます!農業は、クラウドファンディングなどの投資形式でやろうと思っています。ですが、確実にリターンがあるものでやるつもりです。
カニャさん
AYINA 土屋
そうなんですね。AYINAからも何かサポートできそうですね。
ぜひぜひ!例えば、大学生もお金ある程度は持っていると思うんですよ。それでブランド物の高いバックを買うよりも、うちに投資してもらって、そのお金で現地の人が喜んでる姿を見る方がいいんじゃないかと私は思うんです!決して、ブランド物のバックを買うことを否定しているわけではないですよ(笑)。
カニャさん
AYINA 土屋
はい!私たちは、投資した人が誰であるのかが、投資してもらった人にわかり、投資した本人が現地に行った場合は歓迎されるような仕組みを作れたらいいな~と思っています!
カニャさん
AYINA 土屋
その点は重要ですよね。AYINAでもベナンでベナン人によるベナン人のためのヨーグルト会社をつくるためにクラウドファンディングをおこなった際、日本の方からお金を頂戴したおかげで40のスーパーに置いていただけるまでになりました!そういった経験があるので、少しでもカニャさんとも一緒に行動させていただきたいです!
確かに、そうですね。ありがたいです。あと、マラウイでは法改正などで種が失われてきているんです。日本でも種苗法の改正などがありますよね。
カニャさん
AYINA 土屋
だから、種をその自然環境において守るということが大事だと考えています!そのためにマラウイで日本の種を残したい!と思っています。その種の特徴を生かしつつ、マラウイの色々な地域にマッチするように徐々に変えていきたいんです。
カニャさん
AYINA 土屋
自らの事業について熱く語るカニャさんとそれを聞くAYINAメンバー
既にトライアルを開始した農業プログラムだが、レンタルの土地では限界が
AYINA 土屋
現時点で事業開始に向けて何かやっていることはありますか?
今は自然栽培のトライアル中で、どの作物が適しているか試しています。例えば、マメ科だと空気中の窒素を根っこに固定します。そのため、そういったマメ科の植物とトウモロコシのような作物を一緒に植えることで栄養の共有が可能になります。だからトウモロコシ(現地ではメイズと呼ばれる)と落花生を一緒に栽培しようとしています。収穫量も一定量見込めますし、付加価値も上がるので早くて12月にはやりたいですね。
カニャさん
AYINA 土屋
はい。ぜひ多くの土地でこの事業をやりたいんです。レンタルした土地だと、そこの大家さんが違うことをやりたいと言い出すこともあるんです!
カニャさん
AYINA 土屋
はい!!実際僕の経験談として、事務所の部屋を借りていた時、大家さんが変わってしまったことで「出ていけ!」と言われて引っ越す羽目になったんです。その事務所は結構きれいに整備とかしてたのに…という感じです。
カニャさん
AYINA 土屋
はい。だからこそ、土地を購入するのが一番の理想なんです。最近マラウイの政権が変わったので、土地を買うにしても新しいことをやりやすい流れになっているんです。
カニャさん
AYINA 土屋
1エーカー(1200坪)で大体6,7万円くらいです。手続き次第では10万円くらいになると思いますが。土地を買うとしたら都市の近くで買うべきだと考えています。日本でいう東京や大阪の近くみたいなものです。理由は、マラウイの通信費は世界で一番高く、スマホも国内では普及していないんです。首長でもガラ携を持っていればいい方なんです。だから都市の近くでないと進捗共有などの連絡が難しいと思うんです。
カニャさん
AYINA 土屋
携帯事情、知りませんでした…そして土地購入興味あります笑
ぜひぜひ!中国企業が彼らのために買うよりも、自分たちが実際に購入して現地の人たちのためになるようにしたいんです!やっぱり、私の子どもとか孫が見る世界が今より良くなっていてほしいんです。だから一定の土地だけが良くなるのではなくて、世界全体が良くなるようなコミュニティを作り上げていきたいと思っています!
カニャさん
AYINA 土屋
まだ小さい我が子の将来を考えるカニャパパ
ナイジェリアにて規制がある中で挑むタクシー事業とは?
AYINA 土屋
はい!ナイジェリアでやろうとしているのが、二輪や三輪車でのタクシービジネスです。DMOと名前をつけようと思っています。最近危険だから、都市の政府がバイクタクシーを禁止したんですね。
カニャさん
AYINA 土屋
えー、そうだったんですね!『私バイクタクシー結構好きだけど…笑』
それで、その代わりとして注目されているのが、軽自動車なんです。このような車を売ってタクシービジネスをやろうとしています。ちなみに車両輸出のノウハウは、Jonpaulさん( カニャさんのビジネスパートナー)が持っています。
カニャさん
AYINA 土屋
ふむふむ。具体的にはどんな形でやろうとしているんですか?
ドライバーの人たちは車が欲しいということに注目して、1年間タクシーをやってその売り上げの一部をくれたら、その車をその人のものにできるという契約です。彼らはタクシー運転手を続けるために、車を大切に使いますから、こちら側が負担するメンテナンス費は下がりますよね。だからこそウィンウィンの関係になると思うんです!
カニャさん
AYINA 土屋
いや、外注だと費用がかさむので、自分たちでたくさんの台数を送りたいと思っています。その方が利益も多くなるので。あとは、民間で機能する宅配サービスをJonpaulさんと一緒に作りたいと思っています。日本郵便みたいな感じですね。官民連携するとアフリカあるあるの、汚職があると思うので(笑)。ちなみに、Jonpaulさんはナイジェリアの中で使われている3つの言語を話せるし、色々なところでの滞在経験があるので、その経験が活かせるかと思っています。
カニャさん
AYINA 土屋
どうしてもカニャさんと教育談義をしたくて、新人より先にインタビュアー希望を出したAYINAのNo.3みなみさん
終わりに
いかかがでしたか?
やっと終わりました!3記事とも読んでくれましたか?
カニャさんは記事を3部も書けるくらいのビジョンや考えを持った方だった
ということが伝われば本当にうれしいです。
《取材=土屋, 記事=あつ,メモ=まゆ,撮影=あつ》
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